井上敦子 | ヴァイオリン奏者・アレクサンダーテクニーク教師

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アレクサンダー・テクニーク

ある日のレッスン 〜アレクサンダーテクニーク編

更新日:2018.01.25 [Thu] |

私自身の職業柄もあり、アレクサンダーテクニークのレッスンには演奏家の方が来られることが多いのですが、先日は、楽器の製作・修理のお仕事をする方が来られました。いわゆる職人さんです。

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私個人の経験としては新鮮でしたが、レッスンの内容や原則的なことには大きく違いがあるわけではありません。


歯を磨くのも、料理をするのも、特別で専門的な作業であっても、「自分が思考する・動く」という人間の根本のところは共通しています。


それをもとに、彼が最近感じていた、利き手である右肩から腕にかけての痛みがあるという問題に向き合うワークをしました。

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レッスンを進めるなかで、彼自身にとっては「当たり前」になっている動き方や考え方(いわゆる癖、というやつです)を繰り返していたことに気づいた瞬間がありました。

レッスンでは上の写真のように教師が手を使ってその気づきを促したり、身体が良い機能でもって動ける方向性を示すワークを往々にしておこなうのですが、この時は彼自身の気づきと明確になった方向性によって、本人もびっくりするくらいスムーズで簡単に、腕を動かすことができました。

 

「気づく」というのはアレクサンダーテクニークにおいて重要なキーワードのひとつなのですが、自分がどのように動いているのか、また、いろいろなことに対してどのように反応をしているか、などに気づくだけで改善される問題や、その人自身がもともと持っている能力を最大に発揮できることが多くあります。



(この記事はご本人の許可を得て書いています。

レッスンに関してその内容や生徒さんの情報を、無断で使用・公開することはありません。)

 

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