井上敦子 | ヴァイオリン奏者・アレクサンダーテクニーク教師

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コンクールと試演会

更新日:2024.10.07 [Mon] | ,,

ヴァイオリンの生徒さん数名がコンクールに挑戦し、8月の予選に続いて昨日は本選がありました。

点数と賞と、審査員からの講評を貰います。
今回はみんなが良い賞をいただくことができて、私としても正直とてもほっとしました。

コンクールと言うからには結果が気になりはしましたが、
いちばん嬉しかったのは、本番で、みんながいま持っている力と感性がまっすぐに表現されたことでした。

日々の練習や、前日当日の緊張やプレッシャー(私が知る限りでも色んなことがありましたから、全て含めるといかばかりかと思います。)も受け止めながら、良い集中力で本番にのぞめたように思いました。
良い演奏を聴かせてもらいました。

来年空けて早々に次のラウンドがあります。またがんばろうね。


さて、いつもながら気が利かず、当日の記念撮影をし忘れましたが(笑)




コンクール本番の2週間ほど前、市内のホールを借りて試演会をやった時の記録です。



この日、メインは本番を想定しての予行演習でしたが、
会場が広く時間もじゅうぶんにあったので、こんなふうにしてみました

1. ランスルー(本番を想定した通し演奏)・1回目
2. 楽器のためのアクティビティ
3. 初見アンサンブル
4. ランスルー・2回目



楽器のためのアクティビティ」
「 初見アンサンブル」

の2つは、アレクサンダーテクニークのアイデアをもとに、身体と楽器、そして自分と空間(ホールのスペース)を認識する、ということをテーマにしました。

まずは【タテ(上下)】の空間をとらえる実験で、


・靴を脱いで足裏と床の感触を感じながら、天井に向かって腕をいっぱい伸ばす、とか

・床に寝ころがってバイオリンを弾いてみて(楽器の音が背中をとおして床にも伝わったかな?)


など。
「楽器と自分」プラス、空間を含めた認識ができると、身体も広く使えるようになりました。
それに伴って楽器の音もよく響いてきました。




次に、【ヨコ(前後・左右)】の空間


まずはいちばん近い距離で一緒に弾いてみる
(初見で弾ける簡単な曲にしました)
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2歩、3歩と離れて
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数メートル離れても、お互いの呼吸や気配をとらえながら音を合わせられるかな?という実験です
IMG_0486.jpeg


そしてこの次、(写真はありませんが)3人はさらに離れ、ホールの端と端まで

お互いを目視するのも難しい距離に立ちましたが、

しっかりアンサンブルできました。なんならいちばん遠い時がいちばん音がまとまっていたのでは?と思うくらいでした。



アレクサンダーテクニークで、「包括的注意力」(小難しそう?)というキーワードがあるのですが、
今回のケースで言うと、耳や目だけでなく、手や足や背中や...自分のぜんぶが感覚としてはたらいている状態、を経験できたようでした。


コンクール前ということでそれぞれが少なからず気も張っていたところで、少しリフレッシュにもなったかな、と思いながら、実は私が実験をいちばん面白がっていたかもしれません。笑


またこんな機会ができると良いなと思っています。


(9月22日(日)、西宮市・甲東ホールにて)

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