井上敦子 | ヴァイオリン奏者・アレクサンダーテクニーク教師

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アレクサンダー・テクニーク

2017.10.18 [Wed.]

アレクサンダーテクニーク講座 @県立西宮高校音楽科

更新日:2017.10.20 [Fri] |

9月から10月にかけて、兵庫県立西宮高校音楽科でアレクサンダーテクニークの特別講座がありました。


全3回計6時間、講師は恩師の茅原初子先生で、今回は同僚の倉石アオミ先生、船越恵先生と一緒にアシスタントをつとめさせていただきました。


初回は「アレクサンダーテクニークとは?」の講義に始まり実際にテクニークの基本レッスンの体験、そして2回目以降はグループに分かれてそれぞれの楽器を持ってのレッスンでした。



講義を聞いて疑問に思ったことや実技で悩んでいることなどを一人ずつ聞きながら、テクニークを使ってのアプローチをしていきました。

本人も周りも驚くような音の変化があった人、前に比べて自分の音を客観的に聴きながら弾けたという人、数分前には手が冷たかったのにぽかぽかしてきました!という人、なかには何が起きたのか分からないけれど音や身体の様子が変わった...どういうこと?と頭に?マークをいっぱい浮かべている人、などたくさんの反応がありました。

身体機能的には起きて当然のことでも、自分の感覚として捉えるとなるとそれが正しくても初めは違和感を覚えるというのはよくあることです。


グループレッスンならではの光景も。

同じ楽器であれば共通する課題も多いようで、ある生徒さんのレッスンを見ていたその場のほぼ全員が「あー、それあるある!あるわ~」と頷く場面も何度かあり、またそれぞれにフィードバックされたようにも見えました。

一人数分ずつではありましたが、人前でパフォーマンスをすることに慣れている音楽科の生徒さんであってもクラスメイトの前で自分の問題を話しそれを解決する作業というのはある意味勇気のいることだったかもしれません。それも含めて良いワークの経験になっていたらいいなと思います。


講座は昨年に続いて2回目で、アレクサンダーテクニークをぜひ高校の生徒さんたちにも、との音楽科長先生の思いから文部科学省への申請を経て数年越しでの実現だったそうです。

生徒さんたちからは演奏に真剣に向き合っている人の熱気やそれゆえの葛藤も伝わってきて、今回の経験が少しでも自分の何かを発見したり変えるきっかけになりますように、と願いながら久しぶりの母校を後にしました。


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私にとって高校時代といえばスランプをきっかけにアレクサンダーテクニークを知って、一つのターニングポイントになった時期でした(そのころの

このような形で戻ることができたのは本当にうれしい出来事で、いろんなことに一喜一憂していた当時の自分が知ったら喜ぶだろうな、なんて思ったりしました。

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